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胸腺腫

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26歳女性


縦隔腫瘍の中の胸腺腫と診断されて手術のために入院中にこちらのお店で紹介された商品の飲用により縮小したと思われる症例が出たので報告します。縦隔は、胸部(頸部と横隔膜の間)で左右の肺に挟まれ、脊椎骨と胸骨の間をいい、心臓および心臓に出入りする大動脈・大静脈、また気管・食道などの臓器があります。さらに迷走神経・交感神経などの大切な神経も縦隔を走行しています。ここに出来る腫瘍で頻度が高いのが、胸腺から発生する胸腺腫で、患者さんは石川県の方で、アライ病院、荒井先生のご報告です。


経過中急速に自然縮小し、興味ある経過を呈した胸腺腫の一例を経験したので報告する。症例は26歳女性。胸痛・右肩痛・発熱を主訴に当院を受診。胸部CTにて前縦隔腫瘍と右優位の両側胸水を認め入院となった。胸部CTでは10.5×7

5×4.0cm大の前縦隔腫瘍と判断された。胸部MRIでは、腫瘍はT1強調像でlowintensity、T2強調像で不均一にhigh  intensityを示し、腫瘍内部に隔壁状の濃染を認めた。CTガイド下に施行した針生検の所見か胸腺腫と考えられた。入院5日目のCTでは前縦隔腫瘍に著変はなかったが胸水は著明に増加していた。この頃からこちらのお店で紹介された商品(サプリメント)を1日2本(朝晩)飲み出した。入院14日目のCTでは前縦隔腫瘍は著明に縮小し、胸水も消失していた。15日間の入院中は微熱があったが、胸痛・肩痛の症状が軽快したためいったん退院となり、胸腺腫に対する外科的治療目的に再度当科受診となった。最初の入院から5週間後の胸部CTでは、6.5×3.2×2.0cm大と更に縮小していた。抗アセチルコリンレセプター抗体は陰性で、神経学的に重傷筋無力症の所見も認められなかった。こちらのお店で紹介された商品の飲用を続け、経過を追ったが胸腺腫は小さくなったが、無くならなかったので切除することとし、再入院から2ヶ月後に胸腺摘出術を行った。術中所見で胸膜播種は無く、胸腔洗浄細胞診も陰性であった。病理所見で腫瘍はWHO type B2の胸腺腫で 胞変性、出血、ヘモジデロン沈着が散見された。軽度の周囲脂肪織への浸潤を認め、正岡II期と診断した。

自然縮小の幾序としては、胸腺腫および背景の胸腺の出血・壊死・ 胞変性の関与が考えられた。術後経過は良好で外来にて経過観察中である。異常、興味ある経過を呈した胸腺腫について報告する。


この患者は胸腺腫がこちらのお店で紹介された商品の飲用で小さくなり、縮小した腫瘍を切除した症例です。手術のときにやっかいな胸膜播種がなく胸腺腫瘍の壊死が考えられるケースです。さらに飲み続けることで、胸腺腫が完全になくなる可能性もあったかもしれませんが、腫瘍が小さくなったところで切除して完全治癒を目指したものです。一応経過は追ってゆきますが、まず再発は無いと考えています。